【報告】2024「ユニセフ講演会・シンポジウム」
2024「ユニセフ講演会・シンポジウム」を開催しました
開催日:2024年12月6日(金) 13:30〜16:20
会場:熊本県立劇場コンサートホール
参加者:高校生・中学生965名 一般(来賓・理事長含)109名 その他67名
今年度も「ユニセフ講演会・シンポジウム」に多くの高校生・中学生に参加いただき、盛会のうちに終了することができました。
今年は日本が子どもの権利条約を批准してから30年目にあたります。講演会には、国連子どもの権利委員会委員大谷美紀子氏をお招きし「未来を担う世界の子どもたち、そして日本の子どもたちは今」と題して基調講演をいただきました。
シンポジウムでは、子どもたちの現状を見据え、課題を探り、その解決に繋がる糸口を見つけ、どのようにしたら子どもたちの幸福度を上げることにつながるか、子どもたちのために何ができるか、地域社会全体で考える機会となりました。また、会場からも質疑があり、参加された生徒さんたちの関心の深さが伺えました。
【基調講演会】
大谷美紀子氏は、講演で、2023年にこども家庭庁はこども未来戦略で、すべての子どもの子育てを強化する方針を打ち出しましたが、子どもにとって未来は明るいのでしょうか?実際は厳しいのが現状です。環境、気候変動問題をはじめ今を生きている子どもたちは、今の現状に様々な意見をもっています。とお話され、大人は子どもの声に真剣に向き合ってほしい。家庭から、学校から、そして地域全体で子どもの声を聞くことにより、ひいては日本レベル、アジアレベル、さらに世界レベルと、どこに住んでいても子どもの声が世界に届くようになる。子どもたちも物事に対し、言わないほうが楽から意識を変え、知識に触れたり、世界に触れたりしながら刺激を受け、自分の考えを持つ人になってほしいと結ばれました。
【シンポジウム】
シンポジスト:大津愛梨氏 堀 浄信氏 中学生、高校生
中高生は5回の実行委員会を重ね ①学校から考える ②家庭から考える ③地域・社会から考える、この3つの視点から考え、発表しました。
シンポジウムの開始前には、実行委員長(熊本学園大学付属高校2年)から実行委員会の活動で学んだこと、委員長として活動に参加した思いの挨拶がありました。
〜①学校から考える〜
途上国、紛争下の子どもたちの現状を見ると自分のおかれた環境は幸せだと実感した。半面、他人との生き方に違いに悩みを打ち明けられない子どもがいるのも現実である。また、自分はいったい誰なのかを考える時期に、一斉主義を生徒に求めてくる学校は息苦しいとシンポジストから発表がありました。
〜②家庭生活から〜
ヤングケアラー、子どもの虐待、貧困に共通することは人に相談しにくい点で、熊本県、熊本市にも多くの相談窓口はあるものの当事者は周りから見えないことも多く、周囲からも孤立してしまうことが現状である。学校でも気になる人がいたら声をかけることが解決の糸口に繋がるかもしれないと発表しました。
〜③地域・社会から〜
地域・社会との繋がりが希薄になっているが、地域主催の行事や定期的な防災訓練に参加し、地域のとの関わりを増やすことが幸福度に繋がるのではないか。また、身近にある社会とのつながりとして子ども食堂がある。熊本県、熊本市の子ども施策として、意見を言いやすい環境、子どもにやさしいまちづくりを推進していってほしいと発表しました。
〜シンポジスト大津愛梨氏・堀浄信氏〜
大津愛梨氏:家族で農業に従事している。また、阿蘇の風景を守りつつ農業はいいものだと親の働く姿で子どもたちに伝えていると、「NO」と言わない子育てを伝えていただきました。
堀浄信氏:幸福度を上げるために、安心して子育てができる、社会全体で子どもを育てる。家族が救われないといけないし、価値観の違いを大切にしながら、助けて!の繋がりを大切にしていかなければならないと地域・社会との関わりの大切さを話されました。
質疑応答では、会場の学生からの感想や質問があり、副実行委員会長(ルーテル学院高校2年)の最後の挨拶で2024「ユニセフ講演会・シンポジウム」が終了しました。